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赤色の特性-外科医が手術中に着る手術着はなぜ緑か?

手術中の医師

暖かそうな灯り

赤い薔薇とプレゼント

赤色は最も長い波長を持つ色

赤い薔薇

人間の眼には錐体細胞というのがあります。 そして人間の眼に見える光を可視光と呼んでいますが、3種類の錐体細胞が、その可視光を、380nmから750nmの波長の電磁波としてとらえています。 その3つの錐体細胞は、それぞれS錐体、M錐体、L錐体と呼ばれていますが、これら各錐体が感度のピークを持つポイントに青、緑、赤という三色が位置しているのです。ご存じの通り、青、緑、赤というのは、光の三原色と呼ばれています。

詳しくは【光の正体は電磁波】で解説。

この三色が光の三原色と呼ばれるかというと、たまたま配色の関係でそうなったのではなく、このように3つの錐体がピークを持つ波長に一致しているためなのです。
そして、このうち波長が700nm前後と最も長いのが赤色なのです。
最も波長が長いという性質を利用して、信号機の色の中で最も気を付けなければならない「止まれ」の信号が赤色に設定されているのです。なぜなら波長が長いほど、遠くからでもその色を識別できるからです。

赤色がもつ感情作用

暖かいろうそく

それぞれの色には、感情があります。これを色の感情効果といいます。 色によって温度に関する印象が違う場合はありませんか? 青っぽい色を見ると涼しさや寒さを感じ、赤っぽい色を見ると、暖かさや暑さを感じることが多いですよね。

こうしたことから青系の色を寒色と言うのに対し、赤系の色を暖色と呼んでいます。
例えば、暑いときには青い色を使って涼しく見せたり、寒いときには赤い色で温かく見せたりなど、人間は至る所でこうした性質を利用した工夫を行っています。

また色によっては遠近感が異なって見えることがあります。例えば、青に比べて赤い色は手前に見えやすいと言われます。こうしたことから、青系の色を後退色と呼ぶのに対し、赤系の色を進出色と呼んだりします。

詳しくは【凹凸の原理(進出と後退)】で解説。

赤色と手術着の関係

手術中の医師

色相環という言葉を聞いたことがありますか。1つの円を5等分するようにして、円周上に、赤、黄、緑、青、紫の5色を配列したものを基本色相として、それぞれの色の中間色を間に配置していきます。

実はこの色相環で真向かいに位置している色は、その色の「補色」といいます。例えば色相環において、赤の真向かいにある色は緑です。このとき、赤の補色は緑ということになります。 逆に緑の補色は赤とも言えます。

これら補色というのは、隣合わせに並べると、お互いに相手の色を最も引き立たせる性質があるのですが、その一方で、両者を混ぜ合わせると灰色になるという面白い性質があるのです。 これはどの補色の組み合わせでも同じことが言えます。

外科医が手術中に来ている手術着の多くは緑色です。ではなぜ緑色が選ばれたのでしょうか。 単にデザインという観点ではありません。色の特性に関連しているのです。

かつて外科医の手術着が白であった頃、手術着についた血の跡が医師達の眼に残像としてくっきりと残ってしまい、手術中に手元がちらつく現象が起こりました。
残像現象に悩まされる医師達が多くなったのです。中にはそのためにノイローゼになってしまう医師達もいたそうです。

そこで、赤い血の色に対して補色の関係にある緑色を手術着に選ぶことによって、その上に付着した赤色の鮮明さが緩和され、灰色っぽく見えることで、こうした残像現象を起こりにくくするという効果を生んでいるのです。

赤色の特性としては情熱の赤という言葉があるように人間の血の色と同じ色なので興奮や危険を意味する事は間違いないようです。

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